自宅の本棚を整理していてたまたま手に取った一冊。(ネタバレはありませんので、まだ読んでいない方もご安心ください)
サクリファイス(新潮文庫)
近藤史恵
5年くらい前に読んだはずなのですが内容を覚えていなかった(ほとんどの本がそうかもしれない)ので気になって読み返してみました。
自転車ロードレースというマニアックな題材を背景に人間ドラマを描いた小説です。陸上競技から自転車競技に転向して、国内チームから海外での活躍を目指す若手選手が主人公となっています。
ロードレースを知らない人でも理解しやすく、詳しい人にとっても説明がクドすぎないので違和感なく読みやすいです。
ロードレースの人間ドラマといえば、チームスポーツの美学やエースを勝たせるために働くアシストの役割を語るのが王道となってしまいますが、この小説ではサスペンス要素を織り交ぜた点では独特の味わいがあります。
細かいところのツッコミどころはあるものの、フィクションと割り切れば良い読み物だと思います。
レースのシーンや選手のビジュアルなど、脳内に(勝手に)イメージされて面白かったです。
続編「エデン」は(さっき知った)まだ読んでいませんが、気になりました。
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